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約8年前投稿 修正あり

レイテンシーが大きい環境下でのPercona XtraDB Cluster(Percona Data Performance Blogより)

レイテンシーが大きなネットワーク環境下でPercona XtraDB Clusterをどのように扱うか、どのような設定をすればスループットおよびレスポンスが向上させられるか、についてのPercona Data Performance Blogの記事をご紹介します。

原文
Percona XtraDB Cluster in a high latency network environment - MySQL Performance Blog (English)
翻訳依頼者
B5aa4f809000b9147289650532e83932
翻訳者
B5aa4f809000b9147289650532e83932 taka-h
翻訳レビュアー
D98ee74ffe0fafbdc83b23907dda3665 doublemarket
原著者への翻訳報告
未報告


出典について

この記事はThe Percona Data Performance Blog内のVadim Tkachenko氏によるPercona XtraDB Cluster in a high latency network environment(2016/3/14)を翻訳したものです。


このブログ投稿では、レイテンシーが大きなネットワーク環境下でPercona XtraDB Clusterをどのように扱うかについて議論したいと思います。

最近、10GBネットワークをまたいで稼働しているPercona XtraDB Clusterがある環境で仕事をしていましたが、ノードの1つが離れた場所にあり、ping応答時間(ping time)が一般的に期待するより大きい状態でした。

例えば、次の例はローカルクラスター内のノード間のping応答時間を表しています。

ping 172.16.0.1 -s 1024
PING 172.16.0.1 (172.16.0.1) 1024(1052) bytes of data.
1032 bytes from 172.16.0.1: icmp_seq=1 ttl=64 time=0.144 ms
1032 bytes from 172.16.0.1: icmp_seq=2 ttl=64 time=0.110 ms
1032 bytes from 172.16.0.1: icmp_seq=3 ttl=64 time=0.109 ms
1032 bytes from 172.16.0.1: icmp_seq=4 ttl=64 time=0.125 ms

概してping応答時間は、0.1msである、といえます。

仮に、あるノードのping応答時間が7msだったとしましょう。デフォルトの設定のPercona XtraDB Clusterではこのケースをうまく扱えません。しかしながら、いいお知らせがあります。少し設定を変えるだけで劇的に性能が改善できます。あとは何を変えれば良いかがわかれば良いだけです!

このケースについて振り返ってみましょう、テストには次のsysbenchを利用します。

sysbench --test=tests/db/oltp.lua --oltp_tables_count=100 --oltp_table_size=1000000 --num-threads=50 --mysql-host=172.16.0.4 --mysql-user=sbtest --oltp-read-only=off --max-time=3600 --max-requests=0 --report-interval=10 --rand-type=uniform --rand-init=on run

最初に全てのノードでレイテンシーが等しい(0.1ms)場合、次に1ノードが7msのレイテンシーがある場合を紹介します。Linuxではこの状態を次のコマンドで簡単に実現できます。

# ネットワークパケットに7msの遅延を発生させます
tc qdisc add dev eno2 root netem delay 7ms
# 遅延を解消させるためには次のコマンドを実行します
# tc qdisc del dev eno2 root netem

両方の場合に対してスループットおよびレスポンスを比べてみましょう。

throughput

response

数値化すると次のようになります

設定 スループット(平均), tps  95%レスポンス時間(平均), ms
遅延なし 2698              27.43
7msの遅延 739             571.40

ご覧の通り、大きな違いがあります!スループットとレスポンスが分散していることも非常に重要です。一見したところ、これに対応するパラメータは2つあります。

evs.send_window変数はレプリケーションで一度に送るデータパケットの最大数を定義しています。WAN環境では、デフォルト値よりかなり大きな値を設定するとよいでしょう(例えば512)。

それではあるノードに7msの遅延がある場合について、クラスターを--wsrep_provider_options="evs.send_window=512;evs.user_send_window=512"オプションで起動してみましょう。

スループットとレスポンスはどのように変化するでしょうか?見てみましょう。

optimized throughput

optimized response

数値化すると次のようになります

設定 スループット(平均), tps  95%レスポンス時間(平均), ms
遅延なし 2698              27.43
7msの遅延 739             571.40
7msの遅延(最適化済)       2346             46.85

パフォーマンス上のペナルティーがまだいくらか発生していることがみてとれます。最終的に高速なレスポンスタイムをあるノードからえることはできませんが、デフォルトの設定と比べると大きく改善しています。

高帯域なネットワークでping応答時間が大きなノードがある場合は、evs.send_windowevs.user_send_windowを変更することを検討してみてください。

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