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10年以上前投稿 修正あり

MySQLのテーブルをアーカイブしたいなら、Percona Toolkitのpt-archiverを使おう

MySQL Performance Blogの翻訳。Percona Toolkitのpt-archiverコマンドを使ってデータをアーカイブするための手順とは。

原文
Want to archive tables? Use Percona Toolkit's pt-archiver (English)
原文ライセンス
CC BY-NC-SA
翻訳依頼者
D98ee74ffe0fafbdc83b23907dda3665
翻訳者
D98ee74ffe0fafbdc83b23907dda3665 doublemarket
原著者への翻訳報告
未報告


August 12, 2013 By Nilnandan Joshi

Percona Toolkitの pt-archiver は、大きなテーブルから他のテーブルあるいはファイルにレコードをアーカイブするのに便利なツールのひとつだ。pt-archiverで興味深いのは、読み書き可能なツールであることだ。読み出し元からのデータはデフォルトで削除するので、アーカイブ後に別にデータを削除する必要はない。

デフォルトがそういう動作になっているので、本番環境のサーバで実際に実行する場合には注意すべきだ。--dry-run オプションを使ってテストするか、心配なら --no-delete オプションで確認することもできる。このスクリプトの目的は、OLTPクエリに影響を与えることなく古いデータをアーカイブし、そのデータを同じサーバあるいは違うサーバの他のテーブルに保存する、あるいはLOAD DATA INFILE文に適したフォーマットでファイルに保存することだ。

pt-archiverはどうやってアーカイブするレコードを選ぶのか

pt-archiverは、テーブルからレコードを読み出す際にインデックスを使う。インデックスは、テーブルへの連続的なアクセスを最適化するために使われる。pt-archiverは、各SELECT文で読みだした最後の行を覚えておいて、WHERE句を生成するのに使っている。各SELECT文を実行するのにテーブルの最初からスキャンする代わりに、指定されたインデックスに含まれるカラムを使って、前のSELECT文が終わったところから次のSELECTを始められるようにしている。

使うインデックスを指定してpt-archiverを実行する時は、 --source オプション内で "-i" を指定できる。 "-i" オプションは、アーカイブの際にスキャンすべきインデックスを指示するものだ。アーカイブ行をフェッチする際に使うSELECT文に、FORCE INDEX あるいは USE INDEX 文として現れる。このオプションを指定しなかった場合は、pt-archiver は適切なインデックスを自動で見つける。そういうインデックスが存在しない場合は、PRIMARY KEY が使われる。大抵の場合は、"-i" オプションをつけなくても、pt-archiver はうまく動作するだろう。

pt-archiverの実行方法

ファイルにレコードをアーカイブする場合は以下のように実行する。

pt-archiver --source h=localhost,D=nil,t=test --file '/home/nilnandan/%Y-%m-%d-tabname' --where "name='nil'" --limit-1000

あるテーブルから、同じサーバあるいは違うサーバのテーブルへレコードをアーカイブする場合は以下のように実行する。

pt-archiver --source h=localhost,D=nil,t=test --dest h=fedora.vm --where "name='nil'" --limit-1000

--sourceの中でデフォルトファイルオプション(-F)を使う場合にはドキュメント をチェックしてほしい。

レプリケーション環境でのアーカイブ

レプリケーション環境では、スレーブの遅延が大きくないというのはとても重要なことだ。そのため、アーカイブ中のスレーブ上のレプリケーション遅延を制御することができる。

--check-slave-lag : DSNで指定されたスレーブの遅延が --max-lag より小さくなるまでアーカイブを一時停止する。このオプションでは、遅延を確認するスレーブの詳細を与える必要がある(例、 --check-slave-lag h=localhost,S=/tmp/mysql_sandbox29784.sock)。

--max-lag : --check-slave-lag が指定されている場合この秒数までアーカイブを一時停止する。

これらのオプションでは、pt-archiver は行をフェッチするたびにスレーブをチェックする。遅延がオプションで与えられた値より大きい場合、あるいはレプリケーションが切れている(遅延がNULL)の場合は、 --check-interval の秒数を待って、それからまた遅延をチェックする。遅延が追いつくまでこれを繰り返し、行のフェッチを再開してアーカイブする。

その他の便利なオプション

--for-update / --share-lock : SELECT文にFOR UPDATE や LOCK IN SHARE MODE を付与する。

--no-delete : アーカイブする行を削除しない。

--plugin : プラグインとして使用するPerlモジュール名。

--progress : 指定行数ごとに進捗を表示する。

--statistics : 統計情報を表示する。

--where : どの行をアーカイブするかを指定するWHERE句を指定する(必須)。

nilnandan@nil:~$ pt-archiver --source h=localhost,D=nil,t=test,S=/tmp/mysql_sandbox29783.sock --file '/home/nilnandan/%Y-%m-%d-tabname' --where "name='nilnandan'" --limit=50000 --progress=50000 --txn-size=50000 --statistics --bulk-delete --max-lag=1 --check-interval=15 --check-slave-lag h=localhost,S=/tmp/mysql_sandbox29784.sock
TIME ELAPSED COUNT
2013-08-08T10:08:39 0 0
2013-08-08T10:09:25 46 50000
2013-08-08T10:10:32 113 100000
2013-08-08T10:11:41 182 148576
Started at 2013-08-08T10:08:39, ended at 2013-08-08T10:11:59
Source: D=nil,S=/tmp/mysql_sandbox29783.sock,h=localhost,t=test
SELECT 148576
INSERT 0
DELETE 148576
Action Count Time Pct
print_file 148576 18.2674 9.12
bulk_deleting 3 8.9535 4.47
select 4 2.9204 1.46
commit 3 0.0005 0.00
other 0 170.0719 84.95
nilnandan@nil:~$

pt-archiver は Percona XtraDB Cluster の 5.5.28-23.7 より新しいバージョンでも使えるが、クラスタのアーカイブをする際に注意すべき3つの制限事項がある。詳細はドキュメントを参照してほしい。

pt-archiver は、プラグイン機構で拡張ができるようになっている。依存関係のあるデータのアーカイブ、複雑なビジネスルールの適用、アーカイブプロセス中のデータウェアハウス構築など、高度なアーカイブロジックを追加するために、自分のコードを取り込むことができる。このURL が詳しい。

pt-archiver関連のバグはこちらへ : http://www.percona.com/doc/percona-toolkit/2.1/pt-archiver.html#extending

その他pt-archiverの詳細はこちらへ : http://www.percona.com/doc/percona-toolkit/2.2/pt-archiver.html

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